無題その2

2006年4月8日
男が卒業して5年以上たったある日のことだ。男は学生時代の友人D氏と飲むことになった。D氏もT教授の講義を受けていて、しかもD氏は男のT教授への想いを知っている。話はT教授のことになった。

D氏はおもむろに、「そういえばI(その男の名)はT教授にノートを貸したことがあったよね。」と言い出した。
んん?何のことだ?自分がT教授にノートを貸した?
男は全く意味が分からず、話を促した。

D氏の話によると、こういうことらしい。
あるとき、T教授は自分の授業の資料をなくしてしまい、困っていた。思案に暮れて理学部棟の自分の研究室を出て、廊下でたまたまD氏を見かけた。T教授はD氏が自分の講義を受けている学生であることを覚えていたので事情を話し、「自分の講義を真面目に聞いている学生がいたら、その学生からノートを借りたい。」と言った。
D氏は男がT教授の講義を真面目に聞いていることを知っていたから、T教授に「それなら1人知っています!」と答え、寮で男からノートを借り、T教授に渡した。T教授はそのノートを見て不備をおぎない、ノートはまたD氏経由で男のところへ戻った。

男はD氏からその話を聞いても全然記憶がよみがえらず、本当にそんなことがあったんだろうかと半信半疑なのだが、D氏がそんな嘘をつくはずがないのだから本当のことなのだろう。

続く。

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