初恋の話、前編

2006年4月1日
今日はエイプリルフールだけれど、以下の話はすべて実話です。

前回のバトンで初恋の話を少しだけ書いた。
>初恋覚えてる?
>→覚えている。きーちゃんって子。学校帰りにきーちゃんが「好きな人いる?」って聞いてきたので、「きみ。」って答えておいた。

>まだ好き?
>→嫌いではないなあ。でも、今は別の人のことをよく考える。初恋から10年以上もたっているのだから、ねえ。

この初恋の話を詳しく書いておきたいと思う。

小学生・中学生のとき、きーちゃんという同級生がいた。きーちゃんのことが気になるようになったのは中学生の頃だった。

きーちゃんと僕は同じ部活に入っていた。吹奏楽部で、きーちゃんはフルート、僕はオーボエだった。演奏をするとき、隣同士で座るのだ。きーちゃんのどこに惹かれたのかは、うまく説明出来ない。笑顔が可愛らしかったことや、無邪気で純粋な性格だったこと、フルートを吹く姿が素敵だったこと、その3つは確かなのだけれど、それですべてを言い表せているとは思えない。

さて、ある日のこと。部活を終えて帰ろうとしているときだった。靴箱から靴を取り出そうとしていると、他の吹奏楽部員が4、5人一緒になってやってきた。その中にきーちゃんもいて、きーちゃんのほうから僕に声をかけてくれた。
「ねえ、一緒に帰らない?」
ものすごく驚いた。願ったりかなったりだ。きーちゃんの周りにいた、他の部員の中には「じゃあ、あたしも一緒に行こうかな。」なんて言った人もいたけれど、さらに別の部員に「2人にさせなよ。」とか言われて(すごくありがたい一言だった)、きーちゃんと僕とで帰ることになった。
お互いの家は近くではなかったけれど、学校から家への方向が同じだった。

2人で並んで歩き、ちょっと会話が途切れたとき、きーちゃんはこんなことを聞いてきた。
きーちゃん「ねえ、好きな人いる?」
ちょっとびっくりしたけれど、とっさに「うん。」と答えた。内心は大慌てで、どうしよう、どうしよう、誰のことなのか聞こうとするに決まっている、なんて思った。
案の定、きーちゃんは質問を続ける。
きーちゃん「同じ学年の人?」
僕「うん。」
きーちゃん「もしかして吹奏楽部?」
僕「うん。」
きーちゃん「じゃあ○○ちゃん?」
僕「違う。」

きーちゃんは一人一人名前を挙げていき、僕はそのたびに「違う。」と答えた。条件に合う女の子を全員挙げ、それをすべて否定されたきーちゃんは、
「じゃあ誰?」と聞いた。
数秒の間があって、思い切って・・・、
「きみ。」
それを聞いたきーちゃんはニッコリした。

気分だけはふわふわして落ち着かなくて言葉がうまく続かず、告白直後は黙々となってしまった。数分後、交差点へと着いた。僕の家に行くにはその交差点を左折、きーちゃんの家へは直進。
「じゃ、また。」とか言いながらそこで別れた。

家に帰ってからの僕は着替えもせずに自室で仰向けに寝転がり、足をバタバタさせた。あー、言っちゃったよ、「じゃあ誰?」「きみ。」「じゃあ誰?」「きみ。」・・・。バタバタ。

きーちゃんとは、その翌日、学校の廊下ですれ違ったときにお互い意味深な笑顔を交わしたが、しかしそれだけだった。当時、群馬の片田舎の中学生は「付き合う」という概念が無く、自分も例外ではなかった。
告白以降も関係は何も変わらず、お互い同級生であり、吹奏楽仲間だった。

長くなってきたので、以下続く。

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