併売

2006年3月26日コメント (2)
数日前のこと。営業の手伝いで、辞典の販売をしに、とある高校へ行った。

この時期は書店が学校へ行って生徒たちに教科書を渡すことがあるのだけれど、それと同時に、辞典の販売も行うことがある。その際、書店の人たちだけでは人手が不足するので、出版元が手伝う。出版元も営業部の人だけでは学校を回りきれないので、編集の人も何人か手伝ったりする。そういった連鎖があって、僕も某高校へ行ってきた。教科書を渡す機会に併せて辞典を販売するので、これを併売という。
ヘイバイという単語を初めて聞いたとき、“Hey, buy this dictionary, please.”を縮めたものかと思ったが全然違った・・・なんつって。

僕が行った高校では、併売は多目的教室で行われた。天井が低く、意外と声が響く。調子に乗ってフォルテシモでしゃべった。

併売には、うちの会社だけでなく他の出版社も来る。で、商売敵の人を誉めるのは少し抵抗があるのだけれど・・・、S社のWさんが素敵だった。Wさんは買ってくれた学生に辞典を渡すとき、必ず「頑張って勉強するんだよ。」と声をかけるのだ。そうだよなあ、売ったらそれで終わりではなくて、使ってもらって初めて出版社の喜びになる。

Wさんは50代。S社に入社して以来、ずっと編集の仕事をしたかったのに結局営業一筋になってしまったそうだ。何度か編集への異動希望を出したものの、そのたびに「Wさんは営業に必要な人間だから。」と言われて却下されたそうだ。
そういった話は下手な言い方をしたら自分は営業の能力があるという自慢話になりかねないけれど、Wさんの言い方は嫌味がまったくなく、むしろ悲哀がにじみ出ていた。

普段はS社とはお付き合いがないので、今後Wさんに会えるかどうかは分からない。会うような用事も作れないだろうし・・・、でも、いつかまたどこかで会えたら、と思う。

コメント

G−dark
G−dark
2006年3月27日0:22

 素敵ですねWさん。
 ヘイバイは“Hey, buy this dictionary, please.”、というところで笑ってしまいました。まむさんも素敵です。

まむ
まむ
2006年3月27日1:03

G-darkさん、ありがとう♪

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