清水義範の「ゴミの定理」(講談社文庫)を読了。
本来ならこの本は今年の1月に刊行される予定だった。しかし書店で聞いてみても全然見つからず(店員さんも首をひねるばかり)、いつのまにか2月刊行と書き直されていた。
何らかの編集事故か?ハードカバーを文庫化するのは簡単なはずだが・・・。

内容は、ユーモア小説集である。
清水は最近は教育系の小説ともエッセイともつかないようなものをよく書いているが、この「ゴミの定理」は10年くらい前に戻った清水という感じがする。パスティーシュを軸とした、人を笑わせるような小説を書きまくっていた。
僕はその頃の清水に大きな影響を受け、日本語の面白さを知り、こうして文章を書くのが好きになった。いわば、清水は文章の大師匠だ。

しかし・・・、今回はなんだかあんまり楽しめなかった。
表題作「ゴミの定理」にしても、「鄙根村(ひなねそん)の歩き方」にしても、「ドラマチック・ハイスクール」にしても、笑わせどころや話の進め方など本当に清水らしさがよく出ているのだが、面白がるよりも、「ああ、やっぱり」というふうに淡々と読み進めてしまった。
多分、清水の本を読みすぎた弊害だろう。また、こちらの感性が変わってしまったというのもあるかもしれない。

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たまには将棋の話題をひとつ。
森内竜王が羽生名人に挑戦している王将戦第4局は、森内の勝ち。
ざっと棋譜を見てみたら、矢倉模様からの急戦。プロの将棋というと、何手か、力をためるような渋い手が出るという印象があるのだが、今回の勝負はそれがなく、まるで足を止めて殴り合っているかのようだった。

これで挑戦者の3勝1敗。普通に考えれば新王将の誕生が有力だが、下手な予想はやめておこう。

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